ポテトチップス等の「アクリルアミド」に遺伝毒性をもつ発がん物質と評価 食品安全委員会

ポテトチップス

内閣府食品安全委員会は3日、ポテトチップスやフライドポテトなどに含まれる「アクリルアミド」のリスク評価案を「次世代にも影響が及ぶ遺伝毒性をもつ発がん物質」と発表しました。


アクリルアミドとは、wikipediaによると「毒物及び劇物取締法上の劇物に指定されており、神経毒性・肝毒性を有し、皮膚からも吸収されるため、取扱いには注意を必要とする」という化学物質です。炭水化物を多く含む原材料を高温(120℃以上)で加熱調理したときにできてしまいます。詳しくいうとメイラード反応の過程でアスパラギンとブドウ糖が反応することでアクリルアミドが生成されます。 今回の食品安全委員会の発表は「アクリルアミドは遺伝子や染色体の構造に変化をもたらし、次世代にも影響しうる発がん物質」(評価案)というものです。食べた本人だけでなく、遺伝子に作用し子孫もがんになるかもしれないという恐ろしいものです。 アクリルアミドが具体的にどんな食品に含まれているかというと、国立医薬品食品衛生研究所食品部食品中のアクリルアミド分析結果をご覧ください。馬鈴薯を高温で揚げるポテトチップスには特に多いことがわかります。しかし、同じポテトチップスでもアクリルアミドが少ないメーカーもありますね。農水省のアクリルアミドが含まれている食品では、代用コーヒー(Coffee substitute) 、インスタントコーヒー(Coffee extract/powder)、フライドポテトでも、驚くべき高濃度で検出されています。 アクリルアミドは広範囲の食品に含まれており、しかも製造ロットによってもばらつきがあることから、特定の食品やメーカーを非難することは難しいでしょう。しかし、消費者が見分けられるよう、今後、パッケージ等に「アクリルアミド含有量表記」の義務付けなどの措置が必要ではないでしょうか。さらに、アクリルアミドを生成させない調理法、アクリルアミドの影響を低減させる食べ合わせ、アクリルアミドを打ち消す効果のある薬品の研究など、政府主導の研究が望まれます。 人類が火を使い調理し始めた百数十万年前から背負っていたリスクの正体が、いま初めて垣間見えた瞬間なのかもしれません。 食品に含まれているアクリルアミド(農林水産省)