気象庁が放射性物質拡散予測公表も肝心のSPEEDIは未公開

気象庁が放射性物質の拡散予測を公表しました。しかし、気象庁のTOPページから探しにくい階層にページが配置されており、TOPページの新着情報にも載っていません。

日本経済新聞WEB版の気象庁の説明には「放出量がIAEA指定の仮定の数値で予測しているため実態を反映しておらず誤解を招く」として公表していなかったようですが、わざわざわかりにくくして公表する必要もなさそうですが・・・。

放射性物質の拡散予測、気象庁がネットで公表
IAEAの仮定数値使う 2011/4/5 19:29

福島第1原子力発電所事故で、気象庁は5日、国際原子力機関(IAEA)の要請に基づいて同庁が作成した放射性物質の拡散予測をホームページ上に公表した。同庁は放出量がIAEA指定の仮定の数値で予測しているため「実態を反映しておらず誤解を招く」として公表していなかったが、枝野幸男官房長官が4日、公表するよう気象庁に指示していた。

気象庁の拡散予測は、72時間の間に1ベクレルのヨウ素131が標高20~500メートルから放出されたと仮定した上で、(1)大気の流れによる6時間ごとの放射性物質の拡散(2)高度500メートルまでの大気中の濃度(3)雨や風による地上への降下量――の3点を計算した。

この仮定は実際に放出された放射性物質の量と無関係で、観測の範囲も100キロメートル四方を単位として計算している。気象庁は「国内の地域ごとに比べることができるほど正確な数値ではない」と説明する。

また4月4~5日までの期間で算出されている濃度分布の数値は、福島第1原発周辺でも10億分の1ベクレル秒毎立方メートルで、シーベルトに換算しても500億分の1マイクロシーベルト秒毎立方メートルとなり、「現実の数値とはかけ離れている」(同庁の担当者)。・・・・・

<以下略>

日本経済新聞WEB版 2011年4月5日

一方、文部科学省の「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)は震災から2週間経った3月23日に1度だけ公表しましたが、以後は公開していません。これからも、海外の天気予報サイトの情報を当てにするしかなさそうです。

【時間の見方】
各国の天気予報サイトはUTC(Universal Time, Coordinated 協定世界時)で表示されています。日本標準時(JST)に合わせるには、+9時間です。